チャート 3. ハンマー

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研究所長

1.同じ形、異なる名前――出現位置の力

株価チャートを見ていると、実体が短く、下または上に長いヒゲを持つ、特徴的な形のローソク足が現れることがあります。これらの形は、ヒゲの方向だけでなく、出現した位置によって呼び名と解釈が変わります。

長い下ヒゲを持つ形が下落後の安値圏に現れた場合は、ハンマー(カラカサ/Hammer)と呼ばれ、上昇反転の可能性を示します。同じ形が上昇後の高値圏に現れた場合は、首吊り線(ハンギングマン/Hanging Man)と呼ばれ、下落転換への警戒材料になります。

一方、長い上ヒゲを持つ形が下落後の安値圏に現れた場合は、逆ハンマー(トンカチ/Inverted Hammer)と呼ばれ、上昇反転の可能性を示します。同じ形が上昇後の高値圏に現れた場合は、流れ星(シューティングスター/Shooting Star)と呼ばれ、下落転換への警戒材料になります。

つまり、ローソク足の名称と意味は形だけで決まるものではなく、ヒゲの方向、直前のトレンド、出現した位置をあわせて確認する必要があります。

ハンマーと逆ハンマー形成時の株価の値動き

ハンマーカラカサ/Hammer)とは?

この形は、形成中に価格が一度大きく下落したものの、その後大きく戻し、最終的に始値付近で取引を終えたことを表します。
一般的には、「売り圧力によって価格が押し下げられたものの、その後、買い圧力が再び入り、下落分のかなりの部分を取り戻した痕跡」と解釈されます。

構成要素解釈
実体(Body)値幅全体の上側
下ヒゲ(Lower Shadow)目安として実体の2倍程度、またはそれ以上
上ヒゲ(Upper Shadow)非常に短い、またはほとんどない
陽線・陰線を問わず、色は参考程度
弱点反発失敗なら、下落継続の可能性
確認ポイントその後の足で上昇が継続するかどうか

陽線であるという事実だけで、シグナルがより強いと断定することはできません。実際に反発する可能性は、それ以前の下落の程度、支持価格帯、出来高、その後の足の終値など、複数の要素によって左右されます。

逆ハンマートンカチ/Inverted Hammer)とは?

逆ハンマーは、先ほどの形を上下逆にしたようなローソク足ですが、下落後の安値圏に現れるという条件は同じです。形成中に価格が大きく上昇したものの、その水準を維持できずに押し戻され、始値と終値が値幅全体の下側に形成された形です。
一般的には、「買い圧力によって上昇を試みたものの、高値では戻り売りなどの売り圧力を受けた痕跡」と解釈されます。

構成要素解釈
実体(Body)値幅全体の下側
上ヒゲ(Upper Shadow)目安として実体の2倍程度、またはそれ以上
下ヒゲ(Lower Shadow)非常に短い、またはほとんどない
色よりも出現位置と、その後の足が重要
弱点高値で売られており、反発はまだ確定していない
確認ポイントその後の足が上昇して引けるかどうか

出現位置によって名称と解釈が変わる―首吊り線・流れ星

先ほど説明したとおり、同じ形であっても、出現した位置によって名称と解釈が変わります。

流れ星、首吊り線、ハンマー、逆ハンマーの比較
上昇後の高値圏下落後の安値圏
首吊り線:下落転換への警戒ハンマー:上昇反転の可能性
流れ星:下落転換への警戒逆ハンマー:上昇反転の可能性


○ 上昇していた相場の高値圏に現れる首吊り線
上昇相場の高値圏で首吊り線が現れたら、売りの力が強まり始めたサインです。
次の足が首吊り線の安値を下回って引けると、上昇の勢いが弱まり、下落に転じる可能性が高くなります。

○ 上昇後の高値圏に現れる流れ星
流れ星は、さらに上昇しようとしたものの、強い売りに押し戻され、上昇分の多くを失った形です。
次の足が流れ星の安値を下回って引けると、上昇の勢いが弱まり、下落に転じる可能性が高くなります。

ハンマーと逆ハンマーの出現位置



安値圏とは? 高値圏とは?
株価が安ければ安値圏、高ければ高値圏という意味で捉えてはいけません。
安値圏と高値圏は絶対的な価格ではなく、最近の株価の流れを基準に判断します。直近に形成された複数のローソク足の安値や支持線の近くであれば安値圏、直近の高値や抵抗線の近くであれば高値圏と考えます。そのため、同じ価格でも、それまでの値動きによって安値圏にも高値圏にもなり得ます。

確認ポイント

  • 出現位置が下落後の安値圏か、上昇後の高値圏か
  • ヒゲが実体の約2倍以上あり、形が明確か
  • 現在の位置が、過去の安値や主要な支持帯の近くか
  • 出来高が増え、その価格帯で売買が活発か
  • その後の足が高値を超えて引けたか

出来高が増加したという事実だけで上昇を判断せず、ローソク足の出現位置とその後の終値の方向をあわせて確認する必要があります。
その後のローソク足が陽線で上昇し、特に該当する足の高値より上で引けた場合は、反発の可能性がさらに高まります。
陽線による上昇そのものも前向きな変化ですが、その高値より上で引けることは、より強い反発確認となります。
反対に、その後の値動きが上昇を継続できず、該当するローソク足の安値より下で引けた場合は、当初の反転解釈が大きく弱まったと判断します。

初心者がよくする間違い

  • 特定の形だけで、すぐ上昇シグナルと判断する
  • 出現位置を確認せず、形だけで判断する
  • 足が完成する前の形だけで判断する
  • 陽線なら必ず上昇すると判断する
  • 長い上ヒゲを、買い・売りのどちらか一方の痕跡と決めつける
  • 次の足が完成する前に、一時的な高値超えだけで判断する
  • 安値圏の形と、高値圏の流れ星を混同する
  • 次の足が対象の足の安値より下で引けても、最初の反転解釈に固執する

2.反転の始まりなのか

基本的なローソク足では、始値・高値・安値・終値を通じて、価格がどこから始まり、どこで終わったのかを確認しました。
十字線(Doji)では買い圧力と売り圧力の均衡を確認し、今回の2つの形では、下落中に現れた買い圧力の反撃と上昇への試みを確認しました。
これはあくまで学習の順序であり、実際のチャートで十字線の次に今回の形が現れるという意味ではありません。

実際のチャートでこれらを確認する順序は、次のとおりです。
直前のトレンドと出現位置 → 実体の大きさ → ヒゲの方向と長さ → 支持価格帯 → 出来高 → その後のローソク足の終値の流れ

実体の色は、補助的な要素としてのみ参考にします。
ローソク足の形は市場が残した痕跡であり、実際の方向は、その後の値動きが確認してくれるという点を覚えておきましょう。

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