チャート 1. 基本のローソク足

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研究所長

1. チャート読解の基本

株価チャートを読むうえで、まず身につけるべきものがローソク足です。一本のローソク足には、始値・終値・高値・安値が詰まっています。ローソク足は実体とヒゲで構成され、その期間の買いと売りの力関係を表します。価格が上昇した場合は陽線、下落した場合は陰線と呼ばれます。

この基本を知らなければ、チャートはただの絵

株を始めたばかりの頃、チャート読解の最も基本的な単位であるローソク足をきちんと理解せずに、移動平均線やRSI1といったテクニカル指標から手を出してしまう人が少なくありません。
ローソク足は、ある期間に株価がどこから始まり、どこまで上がり、どこまで下がり、最終的にどこで終わったのかを、一本の図形に圧縮して見せてくれます。日足なら一日分のデータ、5分足なら5分間のデータが、その一本に丸ごと詰め込まれています。このデータを読み解くということは、つまりその時間のあいだに買い手と売り手がどう争ったのかを読むことに他なりません。この基礎が抜けていると、その先どんな手法を学んでも、解釈がぶれてしまいます。

初心者向けの構造と読み方

1本の足には4つの価格情報、つまり始値・高値・安値・終値が含まれており、時間単位を変えても基本構造は変わりません。

始値構成要素意味
始値 (Open)取引開始時の価格
高値 (High)その期間中の最高値
安値 (Low)その期間中の最安値
終値 (Close)取引終了時の価格
構造

日足チャートでは一日の始値・高値・安値・終値を、5分足チャートでは5分間の始値・高値・安値・終値を表します。つまり時間の単位が違うだけで、読み方の基本原理は同じです。

実体 : 始値と終値の差

太い四角い部分を「実体(Body)」と呼びます。実体は始値と終値の価格差を視覚化した部分で、その日の買い圧力と売り圧力の結果によって陽線・陰線に分かれます。

  • 陽線(赤):買い優勢、つまり始値より終値が高い
  • 陰線(青):売り優勢、つまり始値より終値が低い

ただし、陽線だから必ず良いサイン、陰線だから必ず悪いサインというわけではありません。長い下落の末の安値圏で出た陽線と、急騰後の高値圏で出た陽線とでは、意味がまったく違います。

その足がどの位置で形成されたかは、色そのものより重要です。
実体の大きさも一緒に見る必要があります。一般的に実体が大きいほど、どちらかの勢力が圧倒的に優勢だった区間であり、実体が小さいほど、買いと売りが拮抗していた区間ということになります。
大きな陽線は買い手が強く価格を押し上げた跡と見ることができ、大きな陰線は売り手が強く価格を押し下げた跡と見ることができます。逆に実体が極端に小さい場合は、市場が方向性を決めかねているサインと解釈できます。

ヒゲ : 押し戻された跡

実体の上下に伸びる細い線を「ヒゲ(Shadow)」と呼びます。実体が始値と終値の間の値動きを表すのに対し、ヒゲはその取引期間中に買い手と売り手がどう反応し、値動きがどう変化したかを示す重要な手がかりです。

  • 上ヒゲ:期間中の最高値まで上昇したが、売り圧力に押されて下落
  • 下ヒゲ:期間中の最安値まで下落したが、買いに支えられて上昇
  • ヒゲがほとんどない:買いか売りのどちらかが最初から最後まで支配

ヒゲは単独で解釈するより、実体の大きさと比較した相対的な長さで判断したほうが精度が上がります。
長い上ヒゲは上値での売り圧力が強かった跡であり、長い下ヒゲは下値で買いが入った跡と見ることができます。ただしこれも、安値圏・高値圏・ボックス圏・トレンド中など、そのローソク足が形成された位置によって意味が変わってきます。

2. チャート分析の出発点

位置と流れが肝心

一本だけを見て方向を判断するのは危険です。同じ陽線でも、文脈によって意味がまったく変わってくるからです。
チャートを読むときは、次の3点を併せて確認する習慣が必要です。

  • 前の足より終値が高くなったか、低くなったか
  • 実体が大きくなっているか、小さくなっているか
  • ヒゲがどちら方向に長く出ているか

そして必ず、その足が形成された位置も一緒に見なければなりません。同じ長い下ヒゲでも、下降トレンドの安値圏で出れば反発のサインと解釈できますが、上昇の途中で出れば単なるブレかもしれません。

ここに出来高を加えると、解釈の信頼度が上がります。強い陽線が出て、しかも出来高が大きく増えていれば、買いが積極的に入ってきたと見ることができます。逆に出来高が少ない陽線は、一時的な反発である可能性も残しておくべきです。

1本の足には、短い時間のあいだに数多くの市場参加者がどの価格で売買したかが刻まれています。これを理解して読み解けるようになると、チャートが単なるグラフではなく、買いと売りの記録として見えてきます。

ただ、ローソク足は将来の価格を当てる道具というより、すでに過ぎ去った値動きの中から買い手と売り手の力関係を読み取る基礎的な道具として理解するのがよいでしょう。

最初は陽線と陰線を区別できるだけで十分です。そこから実体の大きさ、ヒゲの長さ、形成された位置、出来高との関係を一つずつ積み重ねていけばいいのです。複雑な手法をたくさん知ることより、基本のローソク足を正確に読む習慣こそが、チャート分析の本当の基礎体力になります。

まとめると、チャートを見るときは「色→実体の大きさ→ヒゲの方向→位置→出来高」の順で確認すればよいということです。この順番だけ覚えても、チャートをかなり体系的に読めるようになります。

  1. RSI(相対力指数、Relative Strength Index)は、モメンタムに基づくオシレーター系の指標で、0から100の範囲で変動します。値が0に近いほど価格変動のモメンタムが弱いことを示し、100に近いほどモメンタムが強いことを示します。この指標は、一定期間における価格の上昇幅と下落幅を比較することで、現在の価格のモメンタムの強さを数値化したテクニカル指標です。 ↩︎
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